スポンサーリンク

わたしは小さい頃から結構、怖い本が好きで読んでいます。
いや、怖がりなんですけど、それでもついつい読んでしまう。
で、読んだ本は取っておいて、何度も読んだりしていました。
今はスペースの関係で、自炊とかしてデータで取っています。
でも、この残穢【ざんえ】は手元に置いておきたくない!
持っていると何かが起こりそう…、読むだけで何かが起こりそう…と思いました。
なので、この記事を書いたらブックオフに売りに行く予定です。
それくらい怖かったし、今まで読んだ中でも格段に怖かった…。
うわっ!と出てくるわけではないんですが、じわじわと怖さが広がる。
元々、小野不由美先生の作品は好きで読んでいたんですが、基本的に小野不由美先生の作品は怖い。
ティーン向けのゴーストハンターシリーズも学生のころ読んでいたんですが、怖かった。
そんな小野不由美先生の作品の中でも格段に怖いのが、残穢【ざんえ】。
どんな風に怖いのか、最後までお付き合いください。
残穢【ざんえ】とは
残穢【ざんえ】は出版当初から「とにかく恐ろしい」と話題の作品でした。
出版された2012年の翌年、第二六回山本周五郎賞を受賞しました。
この受賞では満場一致ではなく、意見が分かれたにもかかわらず、否定的な審査員ですら、恐ろしいと評しています。
また、審査員の石田衣良氏は「本棚に置いておきたくない…」、唯川恵氏も「手元に置いておくだけで恐ろしい。どうしていいかわからない」と言っています。
これほど残穢【ざんえ】は怖いということ。
また、残穢【ざんえ】は映画化もされていますが、わたしは怖くて観ていません。
残穢【ざんえ】のあらすじ
主人公は作家の「私」で表現されています。
「私」は作家であり、あとがきに怖い話があれば、送ってほしいと書いていたため、読者から実際に合った怖い話がいくつも送られてきたんです。
その中のひとつがこの残穢【ざんえ】。
最初はその怪現象はそれほど怖いという感じではないです。
確かに怖いんですが、徐々に恐怖が増していきます。
読者の話の舞台は「岡谷マンション」の一室。
畳の部屋で「サッ」、「サッ」と何かが畳をこする音がします。
振り返ると何もない。
振り返れば音はやむし、特に実害がない。
でも、あるとき、この読者は一瞬、帯のようなものが見えたという。
実はこの現象、この一室だけではないんです。
他の部屋でもこの現象が起こっており、気味が悪い。
他の部屋に住んでいる子供の行動もおかしい。
そこに住んでいる小さい子供が部屋の何もないところをじっと見つめています。
お母さんが何を見ているの?と聞くと「ブランコ」と…。
そのうち、子供がぬいぐるみの首にひもをかけて、ごっこ遊びを始めました。
これは和服を着た女性が首をつっているところを見ていたのでは…。
事故物件ではないかと不動産屋に確認しても特にそんなことはないんです。
でも、岡谷マンションでは数件、人のいつかない部屋があり…。
そこで、いろいろ調べていくとどうやらこの岡谷マンションだけではありません。
この地域では怪現象が起こっている部屋、家があるという。
はっきりわからないけど、人がいつかない家もいくつかあるという。
さらに調べると家のキッチンで後ろからあり得ない背丈の女性がのぞいている体験をした、赤ん坊の声を聞いたなんてことも。
また、逃げるように引っ越しした先で自らこの世を去った男性がいました。
男性も赤ん坊の声を聞いていたことが判明。
調査をしていくと床下から声が聞こえる、這いずる音が聞こえる、壁から赤ん坊が現れるなど、怪現象が起こっていました。
さらに年代をさかのぼり調査を進めると、突然自らこの世を去った女性、子供の命を奪った女性がいるという。
しかも、1人ではない。
しかし、これが原因ではないのです。
マンション、団地、家が建つ前は吉兼家が所有していた土地。
この家では地下牢に閉じ込められた三男が…。
この三男が地下を這いずり回ることを好んでいました。
また、嫁にきた女性が嫁入り道具として持ってきた掛け軸は顔がゆがむ、不幸を持ち込むという。
実はこの掛け軸、北九州最強の怪談として有名でした。
この嫁の実家は奥山家といい、奥山家も怪談で有名。
奥山家は炭鉱を経営している家で、炭鉱事故もあり、ここで多くの人がなくなっています。
最終的に、奥山家の主人は家族全員に手を掛け、没落してしまうことに。
その後に入ってきた資産家も不幸に見舞われます。
つまり、大元の原因は奥山家なのです。
この奥山家は場所も離れているが、物で怪現象は感染します。
「私」は読者や周りの人を巻き込んで調査していくが、その間も怪現象、体の不調が起こります。
ただ、「わたし」は呪いに関して懐疑的な意見の持ち主です。
結局は体の不調は昔の病気が原因だったと判明したこともあり解決。
ただ、ラストの部分でも、さまざまな怪奇現象?が起こり、すべてが偶然で済ますにはちょっと無理があるかなというところです。
残穢【ざんえ】は実話なのか?
この「私」は小野不由美先生ではないかと思われます。
またあとがきでも、小野先生本人であろうと推察されるとなっている…ということはやっぱり実話なのでしょう。
どこまでが実話なのかわかりませんが、年代、場所を超えて、怪現象は広がっている…。
スポンサーリンク
じわじわ来る恐ろしさで、めちゃくちゃ怖いのが読みたい!という人にはおすすめです。
残穢【ざんえ】の怖さの根底にあるのは日本古来の考え方から
残穢【ざんえ】とは残り物、汚れたものという意味で、体内に生じるかすだそうです。
※日本国語大辞典
この残穢【ざんえ】は穢れというものから来ています。
日本古来の考え方【穢れ】とは
穢れとは不潔、不浄など汚れたものを指します。
日本古来の考え方(仏教、神道)で、普通になくなったのではなく、恨みなどを持った状態でなくなった者は穢れとなってしまいます。
この穢れを持ってなくなった方の家を訪ねた者は家に持ち帰り、家族に感染を引き起こすのです。
さらに感染した者が他の家に行って、さらに感染を引き起こすことに…。
ただし、この感染力はずっと続くわけではないが直接感染した者の感染力は強いということ。
【穢れ】の感染力は強く日本中に蔓延していると考えられる
穢れは直接感染した者のみにとどまらないということは日本中に蔓延していくということですよね?
そして、恨みが強ければ強いほど、感染力が強い。
また、この穢れは恨みの対象が決まっているのではなく、ただ感染する。
ここが恐ろしい。
ということは日本中にこの穢れが回り、残穢【ざんえ】となってしまうということ。
事故物件でなくても怪現象は起こりうる
引っ越しの際、調べるのは事故物件かどうか。
でも、この残穢【ざんえ】を読んでいるとそんなの関係ない。
穢れが残り、恨みの対象でなくても、その場所に因縁を持った地縛霊でなくても、どこにでも怪現象は現れるということ。
これほど恐ろしいことはない。
どうすることもできない。
対処することができない…あなたの家は大丈夫ですか?
読んでいるときに怪現象は起こらなかったけどあり得る話
残穢【ざんえ】は怖い…。
だから、家族がいるときに読むようにしていました。
お風呂のときのみ、読んでいました。
そのため、進めるのが遅かった…。
早く読み終わりたい、先が気になる…でも、ひとりのときに読む勇気はない…だからこそ、お風呂の時だけと決めていました。
どうしてお風呂の時だけなのか?
それは以前、怖いマンガを連日連夜、布団の中で読んでいて、恐ろしいことが起こったからです。
だからこそ、この残穢【ざんえ】は明るいところで読みたかった。
でも、なぜか湯船につかるとき、背中側をひとり分、スペースを空けてしまうんですよね。
何かあるのでしょうか?
また、視線を感じたのは怖かったという理由だけなのでしょうか?
まとめ
残穢【ざんえ】の恐ろしさを伝えきれているかわかりません。
ただただ、恐ろしい。
怖いから何かあると想像力がすごかった!
怖い話を読みたい人にはイチオシの作品ですが、怖がりの人は絶対に読まないでください。
何かあっても、わたしは一切責任を負いません。
スポンサーリンク